花とわたし
| “花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき” この詩は人生そのものを教えています。作者自身の人生を花にダブらせ心境を詠ったもので しょう。また、仏教にも「四苦八苦」「一切皆苦」という苦の真理を説かれた言葉があります。 これらの言葉を最初に知った時、若かったこともあり信じられず疑問さえ懐いたことを覚えて います。人生半ばを過ぎた今、当に「苦しきことのみ多かりき」を実感するにつけ「四苦八苦」 や「一切皆苦」の言葉の意味や深さを理解できるようになりました。 私は写真を始めて四・五年は花などには一切見向きもしなかったものですが、或るきっかけ で蓮の花を撮る機会があり、以来、蓮の花への関わりは続いています。 当時はそれほど蓮について深く考えていませんでしたが、何か不思議な魅力を感じていまし た。その後仏教に縁するようになリ、ますます蓮への関わりは深まっていったのです。 勿論、蓮ばかりではありません。見る花すべてが生きものとしての可愛さや愛おしさを感じる ようになり、すべての花たちに傾倒するようになっていきました。 それから二十年・・。蓮たちは私に仏教と同様に人生を教えてくれたように思います。 花にも心があるのかどうかは分かりません。しかし、愛おしい花たちはまるでそれがあるか のように私に向かって語りかけてきます。 疲れたとき、泣き出したくなるようなとき、そして心が荒んだとき・・・。そんな時こそ花を見つ め、カメラを向けると、花が自然に語りかけてくるのです。 “おじさん!私はどんな環境でも精一杯に咲き誇っています。ホレこんなにも・・・。”と、微笑 むように話しかけてくるのです。 花たちはそのようにいつも私を勇気付け、人生を教えてくれ、そして活力を与えてくれました。 この世に若しも花たちがいなかったら、"人間はどんな生き方をしただろうか・・・?" "人類は果たして存在し得たであろうか・・・?" という問い掛けまで出てきます。 人間にとって花の存在は愛しく可愛いばかりの存在ではないはずです。切っても切れない、 無くてはならない、当に命としての掛替えのない存在なのです。 もっともっと花に接し、もっともっと花を理解し、もっともっと花に恩返しをしなければ、そして、 もっともっと真剣に反省しなければ、きっときっと人間は、大自然から大きな大きな取り返し のつかない罰を貰うことになると思います。これは真理真実です。 私は今、花と人間の関りは仏教の説くところの『爾ニ不二』の関係であると確信しています。 ありがとう花たちよ!これからも苦楽を共に語り合える掛替えのない友でいたいと思います。 どうか宜しくお願いいたします。 ー守道ー |